[メイン] GM : PC2 OP
八葉は登場をどうぞ

[メイン] 八葉刀子 : 「…………」

[メイン] 八葉刀子 : 1d10+32 (1D10+32) > 3[3]+32 > 35

[メイン] GM : 八葉 刀子はふと、支部で就寝しようという前に思い出す。

[メイン] GM : 2年前━━まだUGNの訓練施設『ホーム』にいたときのことを━━。

[メイン] GM : そこは広大な地下施設だった。

[メイン] 与儀 亜美 : 『……チルドレン総員…訓練、開始せよ』

[メイン] GM : どこからか聞こえてくるのは、与儀という名のUGNの教官だった。

[メイン] GM : 彼女がUGNの少年兵━━UGNチルドレンに課したものは苛酷を窮める物であり、

[メイン] GM : レネゲイドを投与された動物を相手にしたり、時にはチルドレン同士で戦わせることすらあった。

[メイン] UGNチルドレン : 「うわぁっ!?」
「も、もう…やだよ……」

[メイン] GM : また1人、また1人と戦闘不能になり…その劣性による不安から他のチルドレンの戦意も喪失していっている。

[メイン] GM : だが、その中でも2人のチルドレンだけは…抵抗を諦めなかった。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「大丈夫? しっかりして━━まだ終わっていないわ!」

[メイン] 八葉刀子 : 「肯定。━━諦めるには、まだ早いかと」

[メイン] GM : 1人は4号と呼ばれたチルドレン。
『ホーム』の中では、女性ながらもリーダーシップを発揮して周囲のチルドレンを統率していた。

[メイン] GM : もう1人は26号と呼ばれたチルドレン。
人工的に天才を作り出す計画によって生み出された、所謂デザイナーベイビー。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ええ、みんなで…生き残りましょう。
 その為にも…力を貸して、26号…!」

[メイン] GM : 刀剣を手にした少女は、背中合わせの、これまた刀剣を手にした少女に

[メイン] 八葉刀子 : 「肯定。背中は任せましたよ、4号」

[メイン] GM : そして、2人は同時に…チルドレンを囲んでいる実験動物の群れへと切り込んでいった!

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私と26号が揃えば、不可能を可能にだってすることがでるのよ。
 ……きっとね」

[メイン] 八葉刀子 : 「否定。不可能など存在しません、2人ならば」

[メイン] UGNチルドレン : 「ぼ、僕たちも…たたかわ、なくちゃ━━」
「あの二人にだけは…やらせないよっ……」

[メイン] GM : 4号と26号の奮起に影響を受けた他のチルドレンたちも次々と立ち上がり、
遂に今日の『訓練』を乗り越えることに成功しただろう。

[メイン] 与儀 亜美 : 『……訓練終了。総員、帰投せよ』

[メイン] GM : 地獄のような戦闘訓練の終了を告げる放送が地下施設に鳴り響く。

[メイン] UGNチルドレン : 「すげーぜ、4号! やっぱり、オレたちのリーダーだな」
「26号……あなたのおかげで…今日もいきのこれた」
「助かったよ、二人とも…ありがとう」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「フフ…そんなことないわ。
 これは私の…私だけの力じゃない」

[メイン] GM : 存命しているチルドレンたちに囲まれる2人のエース。

[メイン] 八葉刀子 : 「こういう時は肯定しておくものですよ、4号。
 貴女はリーダーなのですから」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……けれど、私の背中を護ってくれたのは誰?」

[メイン] 八葉刀子 : 「フフ、仲間達の声援では?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私が攻撃を外してしまった時に、すぐに援護をしてくれたのは誰?」

[メイン] 八葉刀子 : 「あー……仲間達のアドバイスですよ」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……私が、獣たちに噛み付かれそうになったら━━カヴァーをして助けてくれたのは……誰?」

[メイン] 八葉刀子 : 「……降参、降参ですよ4号。
 ええ、私"達"の力です」

[メイン] UGNチルドレン : いつものことだな、と囃し立てるチルドレンたち

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……あとで、いつものように待ってるわ」

[メイン] 八葉刀子 : 「……分かりました、あとで伺います」

[メイン] GM : こっそりと26号に耳打ちをして、他のチルドレンたちと訓練場を去る4号。

[メイン] GM : そう、リーダー格である4号はチルドレンの全員に対して
平等であろうとしていたが━━26号だけは特別だった。

[メイン] GM : そう、それは更に三か月前に遡る━━。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 或る訓練で、4号の片腕とも言われていたチルドレンが
事故に遭い『卒業』したのだという。

[メイン] GM : それからというもの、彼女は自室に籠り…食事や訓練にも参加しようとしなかった。

[メイン] GM : 体調不良を理由に欠席しているが、『ホーム』では二日以上も病欠はできない。

[メイン] GM : そのような状況下で、教官の与儀に呼び出されたのは26号だった。

[メイン] 与儀 亜美 : 「……入りなさい」

[メイン] 八葉刀子 : 「失礼します、召集に従い参りました。
 26号です」

[メイン] GM : そこは、普段のチルドレンたちに与えられた自室とは
比較にならない程に設備が充実しており、快適そうであった。

[メイン] GM : 大人と子供の隔絶は、このような所にも表れている。

[メイン] 与儀 亜美 : 「……今日で三日目になります」

[メイン] 八葉刀子 : 「……4号の事でしょうか」

[メイン] 与儀 亜美 : 「その通り。これ以上、彼女のダダに付き合うつもりはありません」

[メイン] 与儀 亜美 : 「チームにおいて、1人のミスは全体のミスになります。
 これを連帯責任というのは、分かりますね?」

[メイン] 八葉刀子 : 「はい、理解します」

[メイン] 与儀 亜美 : 「4号のチームのメンバーは、今の所…あとは26号だけです」

[メイン] 与儀 亜美 : 「つまり…これ以上、4号が復帰しないのなら━━26号の配給も停止されます」

[メイン] GM : 配給…つまり、『ホーム』における衣・食・住の享受ができなくなるということだ。

[メイン] 八葉刀子 : 「……成程。死活問題ですね、それは」

[メイン] 与儀 亜美 : 「人間扱いされたかったら、結果を出しなさい…」

[メイン] 与儀 亜美 : 「━━期限はあと1日だけ。
 明日の朝までに4号を復帰させるのが、26号に与えられた任務です」

[メイン] 八葉刀子 : 「了解しました」

[メイン] GM : そうして、26号は教官室を後にした。

[メイン] GM : まるで、実の家族のように接してきていたチームのメンバーの突然の蒸発。

[メイン] GM : それは、26号にも少なからず思う所はあったかもしれないが……
26号より感情に富んでいる4号には相当堪えたらしい。

[メイン] GM : 廊下に出た26号は、何を思うだろうか?

[メイン] 八葉刀子 : 正直な話、"卒業"したと聞かされて思うところは十二分にあった。
だが、この場所で━━この地獄で隙を見せることがどれだけ危険なことなのか。

[メイン] 八葉刀子 : 4号も、それは理解していたはずだ。
だからこそ、彼女が何故ああまで取り乱すのかが、私にはわからなかった。

[メイン] 八葉刀子 : 4号に聞けば、何かがわかるのだろうか。
つくづく人の心は難しい。

[メイン] GM : そうして4号の部屋に前に辿り着く。
━━やはり、彼女が出た形跡はなかった。

[メイン] GM : 配給食のブロック菓子も、ゼリー状のドリンクも
扉の前でそのままに置かれている。

[メイン] 八葉刀子 : 一瞥し、嘆息。
軽く扉を叩く。

[メイン] GM : ━━返事がない。
━━━━返事はないが、扉のロックが解除された音がする。

[メイン] 八葉刀子 : 「4号、26号です。
 入ります」

[メイン] GM : 中に入ると…部屋に明かりはついておらず、
ベッドの中で誰かが毛布を被っているのが見えるだろう。

[メイン] 八葉刀子 : 廊下から入る薄明かりの中。
ベッドに近寄り、腰掛ける。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……。」

[メイン] 八葉刀子 : 「珍しいですね、貴女がここまで引きずるのは」

[メイン] GM : 彼女は何も答えない。
…しかしその様子は毛布で隠れていようと、
普段の凛とした姿勢がなく━━怯えと畏れだけのように感じるだろう。

[メイン] 八葉刀子 : 「……これまでにも、"卒業生"は何人もいたでしょう。
 何故、今回に限って?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……7号が、いなくなったの━━」

[メイン] GM : か細い声が毛布の中から聞こえてくる

[メイン] 八葉刀子 : 「はい、7号は貴女の右腕と言っても過言ではありませんでした」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「7号とは…1週間前の訓練の終わりに、一緒に風呂入って
 …ここの施設を出たあとの事を語り合ったわ」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「自分はUGNの日本支部長にいつかなってみせるから……
 私には、チルドレンの教官になれって」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「それで、この『ホーム』を変えましょうって…ねぇ…」

[メイン] GM : 4号の声色が、徐々に震えてきている。

[メイン] 八葉刀子 : 俯くと、リノリウムのような床が廊下の蛍光灯を反射している。

[メイン] 八葉刀子 : 「愛ですか」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「みんな……みんな。いい子ばかり、先に逝ってしまうの━━」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私は、みんなをまとめないといけなくて……なのに……」

[メイン] GM : 4号の手の甲に、1滴の雫が零れ落ちた。

[メイン] 八葉刀子 : 「…………」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……どうして、どうして貴女はそこまで冷静でいられるの……っ!」

[メイン] GM : 毛布の隙間から、彼女の眼が見えるだろう。
それは充血しきって、枯れ果てていた。

[メイン] 八葉刀子 : 「思うところはあります。
 ですが、この場所でそんな隙を見せたらどうなるか……」

[メイン] 八葉刀子 : 「わからない貴女ではないでしょう」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「いつも、私はリーダーだったから…みんなを不安にさせられなくて、
 ……ああいう風に、するしかなかったの」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「けれど━━あの子たちがいなくなって、よくわかったわ
 ……本当は、私が一番弱い」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「誰かに支えられていないと、何もできない臆病者で……」

[メイン] 八葉刀子 : 「7号に支えられていた、というわけですか」

[メイン] 八葉刀子 : 「それは……困りましたね」

[メイン] GM : そして、僅かに…4号の指が動いた。
26号の方へと近づこうと、もどかしく動いた。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私は、ここで生かされている。生かされ続けている……。
 だから━━実感がないのよ」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「人間として、『いきる』実感が━━私には、ないの」

[メイン] 八葉刀子 : 「……4号、私は7号の代わりにはなれませんよ」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私は……私は……」

[メイン] GM : たどたどしくも、毛布を被ったままの4号が近づいてくる。

[メイン] 八葉刀子 : 「4号」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「26号、貴女だけはなくしたくないの━━」

[メイン] 八葉刀子 : 「…………」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私が、貴女が『いきている』という意味……」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「与儀やUGNの命令ではなくて、私たち自身で━━決めたいの」

[メイン] 八葉刀子 : 「━━それは、7号が消えたから私を求めたのですか?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「違う…違うわ、26号……違うの…!」

[メイン] GM : 思わず、前のめりに飛び出し……
覆っていた毛布が、どさりと床に落ちた。

[メイン] 八葉刀子 : 「4号、冷静な貴女であれば
 そんな迂闊な事は口走らなかったでしょう」

[メイン] 八葉刀子 : 「貴女は今冷静さを失っています
 ……シャワーでも浴びてきたらどうですか」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私は……最初から、ずっと貴女の事が━━!!」

[メイン] GM : 26号の両肩を強く掴むと、
そのままに…4号は彼女を押し倒してしまった。

[メイン] 八葉刀子 : 「……っ」

[メイン] 八葉刀子 : ここで抵抗する事は容易だ。
数日間食事も水分も摂取していない少女など。

[メイン] 八葉刀子 : だが、それで彼女は━━。

[メイン] 八葉刀子 : 「4、号」

[メイン] 八葉刀子 : 私は━━。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「7号にはね、ずっと相談していたの……
 新しくチームに入った子の事を考えると━━胸が締め付けられるようになったって」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「この気持ちは、何なのか……何度も、話したわ」

[メイン] GM : 4号は弱弱しくも、それでいて芯の強さを感じさせるように26号を離さない。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「そしたら……教官の部屋から盗んできた国語の辞書で、
 ある単語を見せてくれたの」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「この気持ちが…貴女へ募る想いが、
 本当にそれなのかは私にはわからない━━。」

[メイン] GM : そして、意を決するように…一息入れてから、4号は感情を吐き出した。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私に『愛』させて欲しいの、26号━━」

[メイン] 八葉刀子 : 本当にその感情が愛なのか、真実は4号自身にしかわからない。

[メイン] 八葉刀子 : 私に出来る事は、ただ選択する事だけ。

[メイン] 八葉刀子 : 私は、明日の配給の事を考えながら答えた。

[メイン] 八葉刀子 : 「……わかりました、4号」

[メイン] 八葉刀子 : 「貴女が思うように、私を『愛』してください」

[メイン] 八葉刀子 : それに、リーダーである彼女に愛されるのは、とても気分のいい事だと思う。
誰かに望まれて産まれた私が、今度は誰かに愛されるだなんて。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……26号……」

[メイン] GM : うっとりとした瞳で4号は26号を見つめ、
おずおずと顔を近づけてゆく。

[メイン] 八葉刀子 : それは、素敵なことじゃないか。
一度味わったら、手放せなくなるくらいに。

[メイン] 八葉刀子 : 「ええ、4号、貴女のしたいように」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「きっと、これが『愛』なのね━━」

[メイン] GM : そして、二人は本能の赴くままに……互いを貪り始める。

[メイン] GM : ぎこちなさもなく、野性に従いながら『生きる』ということを、互いの肉体へと刻んでいった。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : その翌日から、4号は恐怖を乗り越えたかのように…逞しくなった。

[メイン] GM : 目覚ましい成長と遂げたかのように、
彼女はいつしか名実ともにチルドレン全体のリーダーとなり、
『ホーム』の中心的人物にまで上り詰めていた。

[メイン] GM : しかし、その傍らでは毎夜のように彼女を求め━━慰め合っていた。

[メイン] GM : そんな折に、ベッドの上でシーツ一枚に身を任せている二人は
後で…こんな会話をしていた。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……そうね、26号。
 私の名前、考えてきてくれたかしら?」

[メイン] GM : まだ番号で区別されていたUGNチルドレンの間で流行っていた、
お互いに名前を付けあうという遊び。

[メイン] GM : 能力を示すコードネームや数字でない、
本で見たような人間の名前を付けあう、他愛のない遊び…。

[メイン] GM : 26号は、ベッドの近くの机にあった辞書を手にするだろう。

[メイン] 八葉刀子 : 「候補は何個かありますが……
 個人的にはこれが良いのではないかなと思っています」

[メイン] 八葉刀子 : ぱらぱらと辞書をめくり、目的の言葉を指差す。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ふふ、嬉しいわ…」

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「これね? ええと、これはなんて読むの?
 よう…らん…?」

[メイン] 八葉刀子 : 「ゆりかご、物事の発展の初期の段階。
 文字通り、貴女そのものでは?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……そう、いい名前じゃない。
 とても、気に入ったわ…」

[メイン] 八葉刀子 : 「私には包容力がありませんからね。
 苦手分野はパートナーに任せます」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……ありがとう、『刀子』」

彼女を抱き寄せて、感謝の意を込めた口づけを与える。

[メイン] 八葉刀子 : 「……刀子、刀を使うから。
 シンプルすぎではありませんか?」

[メイン] 八葉刀子 : されるがままで、口づけを受け入れる。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ひどいわ…貴女の為に、何度も何度も考え直してきたのに……」

幾度か湿った音を響かせ、口の端から糸を垂らしながら…揺籃は云う。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「貴女の躰は抜き身の刀のように、綺麗で、繊細で、強いのに、どこか脆い━━」

刀子の頬を、首を、胸を、腰を撫でながら

[メイン] 八葉刀子 : 「成程、私は貴女の刀だと……。
 独占欲が強いですね……」

[メイン] 八葉刀子 : くすぐったそうに身を捩る。
身体を触れられるのは、いくらたっても慣れない。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ふふ、それは言えているかもしれないわ。
 でもね……それだけじゃないのよ、刀子」

[メイン] GM : そして腰へと両腕を回し、しっかりと抱きしめて…囁く。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「━━貴女は、私の哀しみを断ち切った。
 だから……刀子って」

[メイン] GM : どくん、どくん…と揺籃の鼓動が刀子へと伝わる。

[メイン] 八葉刀子 : 「4号……いえ、『揺籃』」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「そう呼ばせて……ね、26号━━いえ、『刀子』?」

[メイン] GM : その時、彼女が言った言葉は多分…一生、忘れることがないだろう。

[メイン] 八葉刀子 : 「……貴女の望むがままに。」

[メイン] 八葉刀子 : 「私は貴女の刀ですから。」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「…ふふ、その顏は気に入ってくれたみたいね」

[メイン] GM : そして己が『鞘』であることを誇示するように、
刀子と一つになろうと、揺籃は触れ合う。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「名前もない化け物のまま、死んでいくのは厭だった。
 でも、これでもう怖くはないわ━━刀子」

[メイン] 八葉刀子 : 「否定。死ぬ時は貴女の傍にいますよ、揺籃」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「…そう。なら、約束して━━」

[メイン] GM : …揺籃は瞳をゆっくりと閉じ、彼女を待つ。

[メイン] 八葉刀子 : 寸秒、その柔らかな表情を見つめる。
顔を近付け、唇を合わせた。

[メイン] GM : ━━そのまま二人は、また激しくお互いを求めあった。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : その数週間後、『ホーム』の訓練課程が修了された。

[メイン] GM : 揺籃も刀子も、お互いに付けた名前を正式に認められる。

[メイン] GM : ほどなく、二人にはぞれぞれUGNチルドレンとして別の任務が与えられ━━
揺籃はある任務で消息を絶ち、死亡したことだけが聞かされた。

[メイン] GM : その彼女が最後に訪れたのが……ここ、N市だった。

[メイン] GM : ━━すっかり12月に入り、一層の寒気が訪れるN市。

[メイン] 八葉刀子 : 「……。揺籃、貴女から約束を破るとは思っていません」

[メイン] 八葉刀子 : 刺すような冷気を一身に浴びながらも、表情を歪める事はない。

[メイン] GM : 刀子は最近、”彼女”らしき人物が
不良少年のたまり場で目撃されたという情報を掴み…独りで廃墟を訪れていた。

[メイン] 八葉刀子 : 「きっと生きているのでしょう……。
 そう、信じていますよ」

[メイン] GM : ふと、肌に何かが零れ落ちるを感じて…刀子は空を眺める。

[メイン] GM : そう……雪だ。

[メイン] GM : ……無垢な”彼女”の心のように、それは降り注いでくる。

[メイン] 八葉刀子 : 鈍色の空から光は見えず。
ただ、憂鬱になる程の曇天が私を睨んでいた。

[メイン] 八葉刀子 : この街で、生きていると信じて。
私は再び歩みを進める。

[メイン] 八葉刀子 : 降り落ちる雪が、私の心を冷たくさせた。

[メイン] GM : 数週間前、バスの爆発事故から
N市に派遣されていたUGNチルドレンの”ムラクモ”。

[メイン] GM : 以来、時間を見つけては…”彼女”の足取りを掴もうとしていたのだった。

[メイン] GM : そして━━誰かが、すれ違ってくる。

[メイン] GM : あの頃より、幾何か背丈は伸びてはいるが
━━間違いない、”彼女”だ。

[メイン] 八葉刀子 : 「…………!」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「貴女……刀子、なの……?」

[メイン] GM : 女の脚が止まる。
そして、こちらに呼び返してくる。

[メイン] 八葉刀子 : 「肯定。……刀子です、揺籃」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「まだその名前を━━憶えてくれてるのね、刀子」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ふふ…UGNでは、私は死んだことになっているそうね」

刀子へと近づき、彼女の左頬を撫でる。

[メイン] 八葉刀子 : 「肯定。ですが、私は信じていなかった。」

彼女の手に自分の手を重ねる。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「刀子……中で話しましょう。
 ━━ここは、少し冷えすぎるわ」

[メイン] GM : 密着したままで、2人は廃墟の屋内に入ってゆくのだった。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : PC4 OP
大場は登場をどうぞ

[メイン] 大場なな : 34+1d10 登場 (34+1D10) > 34+7[7] > 41

[メイン] system : [ 大場なな ] 侵蝕率 : 34 → 41

[メイン] GM : UGN日本支部━━。

[メイン] GM : 日本副支部長のローザから、大場ななは呼び出しを受けた。

[メイン] GM : 心なしか、彼女の顔色がやや悪い。

[メイン] 大場なな : 「大場なな、只今到着しました。……何か、あったのですか?」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「3秒の遅刻ですね…"星々の絆"」

腕時計を見やりながら、そう云う

[メイン] 大場なな : 「えへへっ、丁度バナナマフィンを作っていた所で……」

[メイン] 大場なな : 「おひとつ、如何です?」とラッピングを手渡そうと

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……呑気なものですね。
 緊急事態が起きたので、アナタを召集したというのに」

しかし、それはそうと受け取る。

[メイン] 大場なな : 「……それで、要件というのは」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「N市に……彼が、“反逆の聖人(イスカリオテ)”が
 現れたとの情報が齎されたのです」

[メイン] 大場なな : 「……っ! "反逆の聖人"が……っ!?」

[メイン] GM : その名を耳にした、大場は唇を噛みしめることだろう。
何故ならば━━

[メイン] GM :

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「━━やはり、見当違いだったか」

[メイン] GM : 眼前に横たわる”運命の星”を前に、男はそう呟いた。

[メイン] 大場なな : 「……、そんな。……純那、ちゃん?」

[メイン] 星見 純那 : 「━━。」

さっきまで星見 純那だったものが、辺り一面に転がっている。

[メイン] 大場なな : 「嘘……嘘よ。こんなの、私は知らない」

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「そうとも、これはキミの”未知”だ━━"星々の絆"」

[メイン] GM : 泰然としている男は、次に…この場へと駆けつけてきた、
もう1人の舞台少女へと語る。

[メイン] 大場なな : 「……アルフレッド、J……コードウェル……ッ!!」

[メイン] 大場なな : "輪"を抜刀し、眼前の"反逆の聖人"へと

[メイン] GM : しかし、男は嗤う。

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「その程度かね……キミの持つ『欲望』とは。
 嗚呼、私はキミを哀れもう━━」

[メイン] 大場なな : 「何が、何が可笑しいの!? こんな未知私は要らない! 皆で、ずっと笑って居られればそれで良かったのに!」

[メイン] 大場なな : 傍目に映る"運命の星"は、スポットライトから暗く。まるで舞台を、降ろされているかのように

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「舞台少女の輝き━━それは、昏き闇の前では無価値ということを教えてあげよう」 

男は静かに右腕を掲げ、いつしか…全身にどす黒い影を纏わりつかせていた。

[メイン] 大場なな : 天頂に煌めくはかの"反逆の聖人"

[メイン] 大場なな : そしてその煌めきを、黒く、塗りつぶしていく

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「━━Ducunt volentem fata, nolentem trahunt.」

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「来れ、身喰らいの蛇━━輪廻の獣(アルマ・レグナム)」

[メイン] GM : 収束した『影』が、巨体を支え聳え立つ2本の脚を持つ『獣』へと形作っていった。

[メイン] GM : 血の双眸がのぞく、純白の仮面を纏ったそれは━━
いかなる生命体ともに似つかない吠え声を上げ、
大場ななの『レネゲイド』そのものを喰らい尽くしてゆく。

[メイン] 大場なな : 「がっ……っ!」

[メイン] 大場なな : 手に握る舞台道具でさえ、煌めきを失い。傷は癒えぬまま内から喰い荒されるように

[メイン] 大場なな : 闇へと、消えて、堕ちていくように

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「残念だが……私にとって、これは『既知』でね。
 こうして、キミがここで仲間を失い━━
 私に敗北を喫するのも予定の内でしかないのだよ」

[メイン] 大場なな : 最後に──暗い闇の、彼女へ手を伸ばそうとして

[メイン] 大場なな : 「純那……ちゃんっ……」

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「キミたちでは不足なのだよ……我が子(マスターレイス)に相応しくない」

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「だが……こうすれば、少しは変わるやもしれんな」

男は無慈悲に指を鳴らす

[メイン] 大場なな : 不足、何が不足。……いいや、彼は言った筈だ。"欲望"が足りないと

[メイン] GM : それを合図にして、白き仮面の『獣』が、
”運命の星”の痕跡を━━星見 純那の死骸を、喰らった。

[メイン] 大場なな : 「あ──っ」

[メイン] 大場なな : 無に消える。何もかも、彼女の燃やした情熱。望んだ渇望。一片たりとも──”最初から舞台に上がってなど居なかったかのように”

[メイン] 大場なな : 「ああっ……、あああああああ!!」

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「いずれ、キミの『欲望』が私への道を見つけたのならば━━
 その刻が来るを、愉しみに待っていることにしよう」

[メイン] GM : そうして、男は『獣』とともに舞台から忽然を姿を消した。

[メイン] 大場なな : 彼の声など聞こえてはいなかった。残されたのは、"一人"のみ

[メイン] 大場なな : ただ、今。その身を灰にする程の渇望。情熱があるならば──

[メイン] 大場なな : ──こんな結末は認めない。やり直したい。

[メイン] 大場なな : どうか、"再演"を

[メイン] 大場なな : そんな事、不可能だと知っている筈なのに。衝動は理性を焼き尽くして

[メイン] 大場なな : 「……そっか。純那ちゃんはいつも、これに焼かれていたんだね」

[メイン] 大場なな : 頬を伝う煌めきは、スポットライトから影へと落ちていく

[メイン] GM :  

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「彼が何故、N市へと現れたのか━━」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「それは、近頃に多発している…
 『チルドレン』の失踪の件と何か関わりがあるような気がします。」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「いえ、女の勘……ですけれどね」

[メイン] 大場なな : 「……勘、ですか」

[メイン] 大場なな : 「……私は彼を許す事はできません。"運命の星"を、純那ちゃんを……っ」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「"星々の絆"……そういえば、アナタは━━」

と大場が回想していた件を口に出そうとする

[メイン] 大場なな : 「……っ」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……失礼しました。
 ですが、アナタはUGNの一員であることをお忘れないように」

[メイン] 大場なな : 「……分かっています。私達の目的はこの日常を守る事」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「はい、その通りです。
 では……往きなさい、"星々の絆"」

[メイン] 大場なな : 「はい、では失礼します」

[メイン] GM : もし、UGNチルドレンの失踪事件にコードウェル博士が関与しているのならば…
"運命の星"のような犠牲者が、幾人も出ていることだろう。

[メイン] 大場なな : ──この事件を追えば彼に──"反逆の聖人"に辿り着ける

[メイン] 大場なな : そして再び彼に会って──私は、私は何をしたいのだろうか

[メイン] 大場なな : 万が一殺めた所で、彼女が戻ってくる訳でも無いのに。

[メイン] 大場なな : ただ、身を焼く衝動と欲望のみが、理性をそのまま侵蝕していく。

[メイン] 大場なな : それは──きっと、心の何処かで。悪い王様を倒せばお姫様を救えるハッピーエンドを。

[メイン] 大場なな : そんなものは無いのだと喚起する理性を握り潰して、私は歩を進めていった

[メイン] GM :  

[メイン] GM : PC3 OP
八雲は登場をどうぞ

[メイン] 八雲紫 : 1d10+29 登場 (1D10+29) > 6[6]+29 > 35

[メイン] GM : UGN N市支部━━。

[メイン] GM : 和カフェを表の姿にした、UGNの拠点であった。

[メイン] 八雲紫 : いつものように上がってくる書類に目を通しながら決済のハンコを押す

[メイン] GM : キミは店主として経営する傍らで、
N市支部長として職務を果たすべく執務室にいた。

[メイン] GM : 現在、N市では”リベレーターズ”と名乗る
謎のオーヴァード集団が活動していると報告されている。

[メイン] 八雲紫 : 少し疲れを感じて来たので藍と橙に紅茶を運ばせる。それから優雅に口に含む

[メイン] GM : だが、この組織の調査任務にあたっていた
チルドレンたちが失踪しているのだ。

[メイン] 八雲紫 : 「……困ったものね。カフェの経営も苦しい時に本業まで支障が出てきているなんて」

[メイン] 八雲紫 : 「まさに八方塞がりね」溜息をつきカップを口に運ぶ

[メイン] GM : そこへ、従業員から『オーナー』への来客が
訪問してきている旨の連絡が伝わる。

[メイン] 八雲紫 : 粗相のないように通すよう従業員に命じる。藍と橙には次の紅茶の準備を

[メイン] 八雲紫 : (きっと"リヴァイアサン"ね)
居住まいを正して来客を待つ

[メイン] GM : そうして、2人の女性が執務室へと入ってくる。

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……久しぶりね、紫」

[メイン] 八雲紫 : 「……あら?ローザなの?」

[メイン] GM : 目配せをしながら現れたのは、
日本支部長ではなく副支部長のローザだった。

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「ええ、そうです。
 少しばかり…職権乱用をしてきました」

[メイン] 八雲紫 : 「"リヴァイアサン"はご多忙ですからちょっとくらいはいいでしょ。ところで、そちらのお方は?」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「ええ、彼女は━━」

そう、隣の人物を案内しようとするが…

[メイン] 八雲紫 : 見慣れない女性を興味深く観察する

[メイン] 与儀 亜美 : 「お初にお目にかかります。与儀 亜美です、N市支部長」

[メイン] GM : ずかずかと、前に出てくる。

[メイン] 八雲紫 : 「ごきげんよう。私は八雲紫(やくもゆかり)」

[メイン] 与儀 亜美 : 「私が訓練したチルドレンを派遣しているというのに、
 むざむざ失踪を増やしているそうですね?
 この支部では、一番多くの損害が出ているらしいじゃないですか。
 あなたの監督責任を問いますよ?」

[メイン] 八雲紫 : 言葉の洪水を涼し気に受け流しつつ

[メイン] GM : 口早に、彼女は八雲を追求する。

[メイン] 八雲紫 : 「ええ、それはそう。私も困っているところよ」

[メイン] 八雲紫 : 「ところで紅茶でもいかがかしら?アールグレイのいいリーフが手に入ったんですよ」

[メイン] 与儀 亜美 : 「これ以上失踪事件を増やさないためにも、
 私は残されたチルドレンの精神面のケアが必要と判断しました。
 というわけで、私はチルドレンの様子を見に行ってきますので、
 ……失礼します」

[メイン] GM : 言葉こそ丁寧なものの語尾を荒げて、
ツカツカ出て行ってバァンと勢いよく扉を閉めていった。

[メイン] 八雲紫 : 「何かしら……あの子……」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「与儀さんの言葉が厳しくなってるのは、勘弁してあげてください。
 多くの優秀なチルドレンを排出した教育者の彼女にとっては、
 大事な子供たちを失っている状態なのですから」

[メイン] GM : 一方のローザは、落ち着いた様子で、紫の隣に座ろうとする。

[メイン] 八雲紫 : 「教官。なるほどね」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「ふふ、わざわざアールグレイだなんて…
 アナタ、私が来るというのを…本当は知っていたのでしょう?」

[メイン] 八雲紫 : ぽんぽんと席を叩いてどうぞと促す

[メイン] 八雲紫 : 「ほんの偶然よ。今度会ったら御馳走したいと思って用意させてはいたけれども」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「どこまでが本当なんだか…妖しいものね」

その声色はどこか、穏やかなものだった

[メイン] 八雲紫 : 「さあ?」

[メイン] 八雲紫 : 少女のように無邪気に、妖しく微笑む

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「お茶が温まる前に……先に、仕事の話をしていい?」

[メイン] 八雲紫 : 「ええ。件の案件でしょう?」

[メイン] 八雲紫 : (チルドレンの失踪……まだ年端も行かない子供達とはいえ教育と訓練を施された精鋭達がどうして姿を消すのかしらね……)

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……今回の件を放っておくわけにはいかないから、直接…話しましょうか。
 何にせよ周辺支部を含めて、多くのチルドレンが失踪しています。
 リベレーターズという組織についてもまだ実態は分かっていないけれど、
 この事件と全く無関係というわけではないでしょうね」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「━━失踪が続いているおかげで、この地域全体が
 機能不全に陥りつつあります。
 チルドレンにしか出来ない任務も多いので、
 彼らは極めて有用性の高い存在です」

[メイン] 八雲紫 : 「ええ。チルドレンの失踪が続いてるおかげでこちらも色々と計画が狂ってしまってるわ。支部の再編成を急いでいるところよ」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「何としても、早期の解決を、お願いしたいですね
 ……当然N市支部を主導とした、地域全体の活動として」

[メイン] 八雲紫 : 「もちろんよ。私にとってもあの子達は可愛い子供達なのだから」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「━━それと、一つ気になる事がありまして。
 先ほどの与儀さんなんですが、
 最近チルドレンの教官を辞めたがっているようなのです。
 さっき見ていただいたように、チルドレンに対して
 とても熱心な教官なんですが…」

[メイン] 八雲紫 : 「熱心を通り越して執着にも見えたわね」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「そうね…少し、よくない兆候は見受けられました」

[メイン] 八雲紫 : 「そんな方が教官を辞めたがる……ねぇ」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「だから……彼女の、”ティーチャー”の動向には
 くれぐれも気を付けて調査を進めて欲しいです」

[メイン] 八雲紫 : 「忠告に感謝するわ」

[メイン] GM : ここで、ローザは徐にメガネを外す。

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……ふぅ。今ので職務の時間は終了よ」

[メイン] 八雲紫 : 執務室のドアの向こう側から「紫様―ご用意できましたよー」と呼びかける声

[メイン] 八雲紫 : 「ああ、ちょっと待って。まだ大事な話の途中だから」とドアの向こうに呼びかけて

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「お茶は貰うわよ。冷めたら勿体無いじゃない━━」

[メイン] 八雲紫 : 「それもそうね。藍、橙、お客様に紅茶を」

[メイン] 八雲紫 : 待機していた藍と橙が紅茶を運んでくる。橙の懸命で慣れない様子がかわいらしい

[メイン] GM : 注がれたグラスを手にして、香りを堪能するローザ。

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……変わらないわね、この匂いは」

[メイン] 八雲紫 : 「ええ。あの時と同じものを出そうと思ったの」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「アナタそのもののような、蠱惑的なアールグレイ。
 ええ、好きですよ……」

[メイン] 八雲紫 : 「素直に誉め言葉として受け取っておくわ。品薄で手に入れるのに苦労したのよ?」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「このお茶の赫は、まるでアナタから滴る血を飲んでいるかのよう━━」

陶酔するように、紅茶を口にする

[メイン] 八雲紫 : ローザが紅茶を口にする様子を慈しむように眺める

[メイン] 八雲紫 : (喜んでもらえたなら苦労した甲斐もあったというものね)

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「……このまま、もう少し此処にいたいのですが」

名残惜しそうな眼で、八雲へと訴えかける

[メイン] 八雲紫 : 「ええ、ごゆっくりどうぞ。でもその前に」

[メイン] 八雲紫 : 「もう一杯だけいかがかしら?」

[メイン] 八雲紫 : にっこりと微笑んで見せた

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「ええ、戴きたいけれど━━
 もう、時間のようね」

腕時計を見る

[メイン] 八雲紫 : 「あら残念」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「ごめんなさい…紫。
 もう少し、アナタとの時間は取りたいのですが……」

[メイン] 八雲紫 : 「いいのよ。忙しいことはわかってるから」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「けれど…今度は、ちゃんと有給休暇を取るから
 その時には━━温泉にでも行きましょう、ね?」

そっと、微かながらも手を重ねてくる

[メイン] 八雲紫 : 「温泉ね……ええ、とても素敵だわ」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「だから、待っててね━━紫」

[メイン] GM : 二人の距離が、近づいた。

[メイン] 八雲紫 : 「ん……おいで、ローザ」

[メイン] 八雲紫 : おいで、と両腕を広げて迎え入れる

[メイン] ローザ・バスカヴィル : そっと、その腕に抱かれて━━
唇を求めた。

[メイン] 八雲紫 : 欲しがる彼女にそっと口づける

[メイン] GM : ━━━短くも長い、そんな刹那の逢瀬。

[メイン] 八雲紫 : 時間にすれば数秒。けれども紫には長い長い時間のように思えた

[メイン] 八雲紫 : 「……ふふっ、これでまた頑張れるわ」

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「ええ、私も副支部長に戻れそうね……」

ゆっくりとメガネをかける

[メイン] GM : そして、別れ際に二人は指を絡めあらせて…繋がりを再確認する。

[メイン] ローザ・バスカヴィル : 「可能な限り……支援はします。
 だから、健闘を祈っていますよ━━"隙間に潜む妖怪"」

[メイン] 八雲紫 : 「期待にお応えできるよう頑張ってまいりますわ」

[メイン] GM : 互いの信頼を確かめ合った二人は、私から公へと即座に切り替えた。

[メイン] GM : こうして、N市支部は”リベレーター”の調査へと乗り出した。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : では、先にミドルシーン 個別イベント1を進めます
PC2は登場をどうぞ

[メイン] 八葉刀子 : 35+1d10 登場 (35+1D10) > 35+1[1] > 36

[メイン] GM : 夜のN市の外れの廃墟の中━━。

[メイン] GM : 些か雰囲気が変わったかもしれないが、間違いない。
隣にいるのは、かつての友人━━否、それ以上の相手の揺籃だった。

[メイン] 八葉刀子 : 一歩を踏み締めるごとに、ふわりと埃が舞う。

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃、貴女は今まで何を━━」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私が死んだ筈だって━━?
 何を言ってるの、私が死ぬようなドジを踏むはずがないでしょう」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「そうみせかけた……だけよ。
 私は、『自由』になったの━━」

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃……」

[メイン] 八葉刀子 : 喉元から飛び出そうとする言葉を必死に飲み込み、なんとか取り繕う。

[メイン] 八葉刀子 : 「どうやって、と聞くのは無粋でしょうか」

[メイン] GM : 背後から、揺籃が刀子を包み込むように……抱きしめた。

[メイン] 八葉刀子 : 「…………っ」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……刀子のにおい、がする」

[メイン] 八葉刀子 : やめて。

[メイン] 八葉刀子 : そんな事を言われたら。

[メイン] 八葉刀子 : 私は━━。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ねぇ、刀子……」

[メイン] GM : うなじに口づけをして、左の耳の方へと舌を這わせる。

[メイン] 八葉刀子 : 「ひぁ……」

[メイン] 八葉刀子 : 「よう、らん」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「刀子は━━━UGNの連中に自分のココロを殺されていない?」

[メイン] GM : そう言いながら、揺籃は強く…刀子の胸を揉みしだこうとする。
あたかも、心臓を鷲掴みするように。

[メイン] 八葉刀子 : 押し留めようとした言葉が、決壊する。

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃……何故、何故ですか」

[メイン] 八葉刀子 : 「何故、私を置いていったのですか……!」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「貴女にも、本当の自由というものを……教えて、あ・げ・る」

耳の穴の中へと吹き込むように囁き、耳朶を齧った。

[メイン] 八葉刀子 : 「ぅ……あ、ぁ……」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私は……迎えに来たのよ、刀子」

[メイン] 八葉刀子 : 「むか、え?」

[メイン] GM : そして、揺籃の淫らな手が……下へ、下へ、と迫りくる。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「刀子……UGNを抜けて、私と一緒に来て━━━。」

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃……それは、誰のため?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「貴女の為よ━━━刀子」

ついに、揺籃の艶めかしい指が刀子の下腹部に到達した。

[メイン] 八葉刀子 : 「わたしの、ため━━」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「そう、いつだって私は……貴女の為だけに━━」

[メイン] GM : 刀子の急所に触れよう、と更に指先が伸びてくる。

[メイン] 八葉刀子 : 「…………私に、何をして欲しいの?」

[メイン] 八葉刀子 : 揺籃の手を掴む。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……刀子、どうして」

止めるのか、と訴える視線

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃、質問に答えて」

[メイン] 八葉刀子 : 「私がUGNを抜けて、貴女の元へ行くのは良い。
 私は、貴女の刀だ」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「ええ、嬉しいわ……刀子」

[メイン] 八葉刀子 : 「……その刃で何を斬りたいのですか?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「━━このセカイを」

[メイン] GM : 急に、揺籃の声色が代わる。

[メイン] 八葉刀子 : 「…………揺籃?」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私はね……いえ、『私たち』は今……『大きなこと』をやろうとしているの」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「セカイを変えるほどの、ね━━」

[メイン] 八葉刀子 : 脳内が急速に冷えていく。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「その計画に……貴女も協力してくれると嬉しいの」

[メイン] 八葉刀子 : 「揺籃」

[メイン] 八葉刀子 : 揺籃の手を振り解き、相対する。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……刀子。どうして」

[メイン] 八葉刀子 : 頭は冷たく、心はより冷たく。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「貴女は私の刀なのでしょう……なら、」

[メイン] 八葉刀子 : 「…………何故でしょうね」

[メイン] 八葉刀子 : 「あの地獄で名を付け合い、身体を重ね、夢を語り合っていた頃」

[メイン] 八葉刀子 : 「貴女はとても魅力的でした
 私が、執着してしまうほどに」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「戻りなさい……刀子。
 貴女は、好きよ━━」

[メイン] 八葉刀子 : 「申し訳ありませんが
 率直に言って、今の貴女には何の魅力も感じません」

[メイン] 八葉刀子 : 「刀は、人を選ぶのです」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「……そう、云うと思ったわ。
 けれど…答えは急がなくてもいいでしょう? 
 じっくり、考え直して欲しいわ━━刀子」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「貴女を後悔させないから……絶対に」

[メイン] 八葉刀子 : 「否定。私の心は変わりません」

[メイン] 八葉刀子 : 「貴女が変わらない限りは」

[メイン] GM : 哀しい目で、刀子を見やり……揺籃はこの場を去ろうとする。

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私は、『変わった』のよ……刀子」

どこか、寂しそうに

[メイン] 戸室 揺籃 : 「━━そろそろ時間ね。
 アジトで、仲間が待っているわ」

[メイン] 八葉刀子 : 「…………」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「また逢いましょう、刀子」

[メイン] 八葉刀子 : 心を、脳を冷やす。
これならば、逢いたくなど無かった。

[メイン] 八葉刀子 : 私の思い出の中で生きていて欲しかった。

[メイン] 八葉刀子 : 「否定。私はもう、逢いたくありません」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「フフ……嘘が下手よ、刀子」

[メイン] 戸室 揺籃 : 「私達の繋がりを、断てる程に━━━貴女は強く、ないわ」

そう言い残して、去った。

[メイン] 八葉刀子 : 廃墟に何かが軋む音が響く。

[メイン] 八葉刀子 : 口元から流した血を軽く拭い、外へと歩き出す。

[メイン] 八葉刀子 : 感情を抑制し、冷静に、冷徹に。

[メイン] 八葉刀子 : ━━心中には、揺籃の言葉だけが渦巻いていた。

[メイン] GM :  

[メイン] GM : この場を、廃墟の頂から見下ろして観察する人物がいた。

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「━━それがキミの選択か、”ムラクモ”」

[メイン] GM : この男こそ、UGNの創設者にして……UGNへと牙をむいた”叛逆の聖人”。

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「━━あぁ、わかってる。
 彼女なりの考えだな」

[メイン] GM : 誰にでもなく、そう呟き……

[メイン] アルフレッド・J・コードウェル : 「ラ・ヨダソウ・スティアーナ━━」

[メイン] GM : 別れの言葉を贈り、この場から消失した。

[メイン] GM :